「ありがとう。母さん」
父は照れくさそうに
母が大好きな味手筥を手渡していました。
誕生日でも母の日でもないし、
子ども心に不思議だった、あのシーン。
母に後から聞いてみたら
父の仲直りの合図。
けんかした後の
「ごめんなさい」の代わりだったと…
味手筥を食べるたびに父の顔が浮かびます。
「自分にご褒美も大事」と、まりこ先輩。
先輩は、いつも笑顔が可愛らしくて一緒にいるだけで、
楽しい気分になります。
「この間、会社のプロジェクトが成功したから、自分にご褒美!と思って
味手筥を注文したの。届いてみたら、
ほんとうに誰かからプレゼントをもらったみたい。
だから、今日はみんなにHappyな気持ちのおすそわけ!」
まりこ先輩の心配りと美味しいおかきに
思わずみんなが笑顔になりました。
手をつないで、父と母と近くの公園までお出かけ。
我が家の休日の小さなお楽しみ。
父のリュックの中には
母が作ったおにぎりと冷たい麦茶と味手筥。
レジャーシートを広げて木陰で一休み。
父と母の会話を聞きながら
緑の葉が揺れるのを見ていました。
大人になっても思い出すたびに
胸がホッと温かくなります。
バリバリ働いて、イケメンの先輩が
私の部署に異動になりました。
挨拶がわりにみんなに
持ってきてくれた味手筥。
「おせんべい、好きなんですか?」と聞いたら
「めちゃくちゃ好き。特に味手筥は、
形がかわいくて、いろんな味が楽しめるから、
大好き。味のれんはね、注文が入ってから、
作るから鮮度が抜群!だから美味しいんだよ」
味手筥のことを熱く語る先輩。
ますます好きになってしまいそう…。
小鳥がさえずり、
新緑に柔らかな光がさす越路の里。
清らかな水辺にはホタルが舞います。
豊かな風土に恵まれた越路の里から
つくりたての美味しさをお届けします。
お客様の幸せを願いながら
今日も米菓づくりに励んでいます。