味のれん ぱりぽり通信
料亭 かも川本館の
社員が育てたお米が
お店の一杯になるまで
N.CYCLEプロジェクトは、お米づくりとお米にまつわる食文化を未来につないでいく取り組みです。(詳しくは、ぱりぽり通信vol.01〜05を見てください)長岡の地でスタートしたこのプロジェクトに味のれんも参画。「がんばっている農家さんを応援したい。自然環境を守る活動に寄与したい」と、このプロジェクトに参画する農家さんのお米も販売しています。おかげさまで、お客様からは「美味しい!」とご好評をいただいています。
料亭のスタッフが米づくりに挑戦。
今回は、このプロジェクトに参画し、N.CYCLEのお米づくりをしている長岡市の料亭「かも川本館」の長谷川佐久信社長にお話を伺ってまいりました。
「かも川本館」は長岡市の街中にある由緒ある料亭です。四季折々に美しい庭が眺められる贅沢な和の空間で、県内の旬の味わいをゆったりと堪能できます。和服の仲居さんの立ち振る舞いや季節の室礼(しつらい)に日本の伝統的なおもてなしを体感できるのも魅力です。

そんな名料亭で、なぜ米づくりをはじめたのでしょうか。長谷川氏に尋ねてみると「お料理をお出ししているうちに、作り手の方の気持ちを理解したい、素材から手がけてみたいと思うようになりました。肉や魚は難しいけれども、もしかしたらお米づくりは出来るかもしれないと考えたのです。元々、地元のお米を使っていましたが、自分たちで育ててみたいと思いました。
N.CYCLEプロジェクトに参画している百笑会の池田治さん(ぱりぽり通信vol.3参照)とは、青年会議所のときからの知り合いでしたので、お米づくりをしてみたいという思いを話してみました。すると、池田さんがN.CYCLEプロジェクトのことを教えてくれたのです。このプロジェクトのコンセプトは、地産地消を大切にしてきた私たちの考え方にとても合っていると感じました。そして、池田さんから、このプロジェクトに沿って、土づくりをした田んぼを貸してくださると言っていただいたので、決心しました。私は常に「想いは叶う」という信念でおりますが、2年越しの想いが池田さんのおかけで実現しました」。
大空と太陽の下、季節を感じながら働く
初めての田植えは2024年の5月。小雨の降るなか社員の皆さんは、初めての体験に満面の笑みで田植え機にも乗車。普段の仕事とは違う別世界へ。新鮮な気持ちで、大変な作業も楽しむことが出来たようです。長谷川社長曰く「池田さんにお借りしている田んぼは、脇にそよそよと流れる小川があって、初夏にはラベンダーの花が咲いて、環境がとにかく素晴らしい。大自然の中で季節を感じながら働けるのは、とても貴重な体験です。農家の方たちは大変なご苦労をされていると思いますが、私たちにとっては、ありがたい時間です。
お店は月曜が定休日ですが、田んぼの仕事をその日に合わせることはできませんから、田んぼに行った日は仕事を早く上がるなどの工夫をしています」。
暑い夏の間も、池田さんに教えていただきながら、水の管理などに行きました。初夏から秋へと苗が育っていくのをみんなで見守っていき、いよいよ稲刈りの日。みんなで青空の下、大地と太陽の力に感謝しつつ収穫の喜びを味わいました。
土づくりからこだわったお米の甘みは別格!
収穫後、いよいよ、自分たちが育てたお米をお客様にお出しするときがやってきました。「お客さまへ炊き立てのご飯を土鍋か羽釜でお持ちして、蓋を開けた瞬間のお米の香りをお客さまに楽しんでいただいています。一口、召し上がるとその甘みにみなさん驚かれます。お米本来の味が引き出されるように、炊く直前に氷を入れて、米を冷やしてガスの火力で一気に炊き上げます」と長谷川氏。
お献立には「N.CYCLEの自社栽培米のごはん」と明記。料亭のスタッフが真心込めて栽培したお米というだけでもワクワクします。さらにN.CYCLEのお米の由来を知ると、地元の資源循環への試みで、土づくりにこだわり、田んぼを中干ししてメタンを出さないように配慮するなど、その並々ならぬプロセスにお客さまはさらに感動。N.CYCLEについての会話も弾みます。
お酒を飲みながら美味なる料理の数々、最後のご飯は遠慮しようと、ついついご飯を残した経験がある方も多いはず。こちらでは自社栽培米「福如白雲」(ふくじょはくうん)のおかげで残される方がほとんどいなくなったそうです。「福如白雲」の名前は、「かも川本館」の社是を元に、召し上がるお客さまの元に雲が湧き立つような幸せが訪れるようにと願われて名づけられました。テイクアウト形式の仕出しのお膳やお弁当、ネットでお米として販売されるなど、「福如白雲」はみんなのもとに幸せを運んでいます。ネットで購入された方からは「甘くて、つややかで立派」「お米のいい香りがして本当に美味しい」「お米が一粒一粒たっている」「久しぶりに美味しいお米を食べました」「冷めてもおいしい」など、たくさんの反響がありました。


社長の夢は世界へ続く
お米づくりがカタチになって、次なる夢が膨らむ長谷川氏。今年は、長岡市と姉妹都市になっているホノルルにあるハワイ大学を通じて、アメリカの大学生のインターンを受け入れたいと計画中です。ご自身でハワイ大学に行き、インターンの学生を確保したいと思っています。「私たちのお店では、四季を彩る庭や、畳、障子など日本らしさが随所にみられます。希少な日本の料亭文化を世界に発信したいという願いがあります。社員の良い刺激にもなるので、ぜひ外国の学生を受け入れて、料亭の仕事やお米づくりにチャレンジできる場を創出したいです」。
長野県出身の長谷川氏には、新潟の良さが人一倍わかります。「山を抜けて新潟に来たとき、パッと視界が開け、田んぼが波のように広がり、その先に海が見えるのです」。
胸を張って新潟の良さと料亭の文化をアピールする社長のまっすぐな視線は、海の向こうを見据えて…。「いずれは「かも川別館」が海外に出来るかもしれませんね」と言う言葉に社長は笑顔で応えてくれました。












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