平和への祈りをささげるきらめく大輪の花。
夏の夜空を彩る長岡花火。

フェニックス花火

空襲の犠牲者への鎮魂と平和を祈る新潟県の「長岡花火」。
2022年夏は3年ぶりの開催が決まり、全国花火ファンから注目を集めています。今回は長岡花火の知られざる魅力を紐解いていきます。

【長岡まつりとは】
昭和20年8月1日に始まった長岡空襲でまちの大半は焼け野原になり、多くの市民の命が失われました。その翌年、市民の心を慰め、まちの復興を願って開催された「長岡復興祭」が長岡まつりの始まりです。 今では8月1日に平和祭、2日・3日に全国三大花火として数えられる長岡まつり大花火大会が毎年華やかに開催されています。

【戦争のない未来を祈る花火】
日本三大花火大会の一つとして知られる新潟県長岡市の「長岡まつり大花火大会」。信濃川の河川敷を舞台に、ダイナミックな正三尺玉や尺玉百連発、音楽とシンクロした演出による全長約2qの「復興祈願花火フェニックス」など 豪華絢爛な大輪の花が夜空を彩ります。今や全国から観客が押し寄せる有名な花火大会ですが、そこには長岡空襲で亡くなった人々への慰霊と復興の意味があることは、知らない人も多いかもしれません。 盛大な花火を打ち上げるのと同時に平和への願いも込められているのです。
そんな長岡花火を支えているのは、地元住民の揺るぎない「花火愛」。2,000件を超える個人や企業からの協賛は毎年恒例、夏の花火大会を楽しみに日々を過ごしているという人々が大勢います。 なかには花火を見るためだけに自宅の屋上を増築したという強者も!各自が長岡花火に情熱とプライドを持ち、守り続けていきたいものとして大切にしているのです。
花火大会は毎年8月2日・3日に開催。今年の夏は平和への祈りを込めながら、長岡で花火鑑賞してみてはいかがでしょうか?

TOPIC1.臨場感あるれる振動音。ヒミツは長岡の地形にあり。

長岡花火の醍醐味といえば「ズン!」とおなかに響く振動音。迫力ある振動を感じられるのは打ち上げ場所と観覧席の距離が近いからですが、実はもうひとつ理由があります。 そのヒミツとは長岡の地形。会場である信濃川の土手は、西山連峰・東山連峰と呼ばれる山々に囲まれた盆地。恵まれた環境下で打ち上げられた花火の音は空気の振動で広がり、美しい響きを残すのです。 花火師たちの間でも「長岡花火は音の響きが格別」と評判なんです。

TOPIC2.観客のマナーに拍手!日本一きれいな花火大会

大勢の観客が集まる長岡花火ですが、よく驚かれるのは「会場に放置されたゴミが少ない」ということ。指定のゴミ箱に捨てる、自分で持ち帰るといったマナーがきちんと守られているのです。 さらに翌早朝には、子どもから大人まで2日間で約5,000人のボランティアがかけつけ、河川敷を美しい状態にするためにゴミ拾いを実施。長岡花火愛にあふれる地元住民は「日本一きれいな花火大会」としても誇りとプライドを持っているのです。

TOPIC3.花火師へ感謝を伝える、光のメッセージが感動的

長岡花火のラストを飾るのが「光のメッセージ」。河川敷で観覧する約10万人がスマートフォンやペンライトを一斉に振って、花火師への感謝の気持ちを伝えます。信濃川の左岸と右岸土手から無数の光が降りそそぐ、 幻想的な光景は感動そのもの。会場に集まったすべての人たちが心を合わせて、夏のひとときを共有します。ただ美しい花火を鑑賞するだけでない一体感は長岡花火ならではです。

TOPIC4.おなじみのアナウンス「打ち上げ、開始でございます!」

長岡花火の名物といえば「打ち上げ、開始でございます!」という独特のアナウンス。花火が夜空に舞い上がるときに読み上げられる、おなじみのフレーズです。ゆっくりとした尻上がり調のイントネーションが絶妙で、初めて耳にする県外客にとっては印象深く感じられるはず。 長年受け継がれてきたこのフレーズは、かつては市役所職員が読み上げていましたが、現在は地元出身のアナウンサーが担当しています。ワクワク感を高めてくれるアナウンスにぜひご注目を。

最高のポジションで長岡花火を見るなら「屋形船」がおすすめです。見晴らしの良い特別な席に座り、VIP気分で鑑賞できます。信濃川に浮かぶ船から眺める花火は、周囲にさえぎるものがなく、まるで花火をひとり占めしているかのような贅沢感! さらに東側の川岸に近い位置であれば、水面に映る花火も同時に楽しめます。屋形船でしか見られない幻想的な光景は、息をのむ美しさです。一生に一度の感動体験となることは間違いないでしょう。

大迫力の光と音の競演に圧倒される長岡花火ですが、視点を変えると新たな魅力を発見できます。注目したいのは花火を打ち上げる「間」。一発入魂であったり、畳みかけるように連続にしたり、花火師の熟練した感覚による絶妙な間をもって打ち上げられているのです。 余韻を大切にすることで、消えゆく花火の儚さを見事に表現しているといえます。日本人の心である「わびさび」を感じながら鑑賞することで、より一層心に残る特別な時間となりそうです。

TOPIC7.花火愛あふれる長岡人が知るナイショの穴場鑑賞スポット!?

長岡人は、尋常ではないほどの「花火愛」にあふれています。一般的にはシャイと言われる市民性ですが「花火のことなら何時間でも語れる」と情熱を秘めているのです。鎮魂の尺玉、特大の正三尺玉、豪華なフェニックスなど思い入れを語り出したら止まりません。 また、一大行事である花火大会を楽しむために、地元人なら誰もがヒミツの鑑賞スポットを知っているのだとか!? 会場である信濃川河川敷以外にも、商業施設、橋の歩道、公園など穴場ビューポイントはたくさんあるようです。